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みずがめ座η流星群射点位置とその移動(データはIMOによる)。 |
打ち上げ花火。みずがめ座η流星群(みずがめη群)の流星は印象的です。下から打ち上がるように流れる長い流星が夏の天の川を横切る… 独特の趣があります。出現数は安定していて、HR=10くらい見られます。また、極大がなだらかなため、極大の頃数日間は同程度の活動が見られます。流星の特徴は、速い、痕を残す、です。輻射点はみずがめ座の『三ツ矢のマーク』あたりで、午前2時くらいになってようやく昇ってくるので、明け方1〜2時間くらいしか観測のチャンスはありません。
みずがめη群の母天体はかの有名なハレー彗星(1P/Halley)です。…アレ?このフレーズどっかで見たような… はい、ハレー彗星は、オリオン群の母天体でもあります。というわけで、オリオン群とこのみずがめη群は「兄弟流星群」ということになります。ですが、みずがめη群の方が母彗星と地球の軌道の距離が近いためか、大きな流星群のようです。
みずがめη群の方が大きな流星群なのに、なぜオリオン群より見える流星数が少ないのか? この原因は、輻射点の位置にあります。みずがめη群の輻射点は明け方近くになってようやく昇ってくるので、高く昇る前に夜明けとなってしまいます。一方オリオン群の輻射点は頭上高く昇りきったあとで夜明けを迎えます。このため、オリオン群は輻射点が高い(=流星が最も多く見える)時間帯を観測できるのに対して、みずがめη群は輻射点が高い時間帯を観測できないのです。ところで、この時期夜が長い南半球では、みずがめη群の輻射点は北半球より高く昇ります。このためみずがめη群は、南半球では北半球より遙かに多くの流星が観測できます。南半球では、このみずがめη群が年間第一の流星群です。
〔L!b〕