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こぐま座流星群射点位置(データはIMOによる)。 |
活動期間 |
12月20日〜25日 |
極大 |
12月23日 |
流星群の気まぐれ屋! こぐま座流星群(こぐま群)はとにかく気まぐれな群です。たまに突発出現をして、HR=10〜50くらいの出現をするかと思えば、極大でもほとんど出現しなかったり… 突発にも規則性がないため、事前予想は全く不可能と言ってもいいです。そんなこぐま群、流星の特徴は、やや遅い、比較的明るい、です。輻射点はこぐま座β星の近くにあって、一晩中、というより一日中沈むことはありません。が、宵のうちに最も低くなり(下方通過)、明け方に向けて高くなるので、未明〜明け方が観測に適しています。もっとも突発癖のある群なので、突発の起こりそうな時間に見ないと…
こぐま群の母天体はタットル彗星(8P/Tuttle)です。が、前述の通り、この彗星の回帰にあわせて突発するわけではありません。過去に突発した1945年、1986年には、いずれも母彗星は遠日点(太陽から最も遠い点、当然地球からも遠い)付近にいました。そして2000年、母彗星は遠地点付近。要注意と思っていたらやっぱり?出ました。この3回の突発については、母彗星の周期が約13.5年であるので、
1945+(13.5×3)=1985.5
1986+13.5=1999.5
というわけで、1945年の突発からそれぞれ3公転、4公転後に1986年と2000年の突発が起きたことが考えられます。とすると、今後もこの周期には要注意。一方でこの周期に当てはまらない年にも突発出現は起きてます。結局のところ毎年注意するに越したことはない…と。
従来、事前予測はほとんど不可能だったこぐま群の突発ですが、今後予測が可能になるかも知れません。しし群の予測で一躍有名になったダストトレイル理論は、母彗星の過去の回帰時のダストの放出を単純にモデル化し、各回帰ごとに形成されるダストトレイルの位置を計算するという手法をとっています。これが応用可能なのは母彗星の過去の回帰が正確にわかっている流星群です。この条件を満たす流星群をざっと考えてみますと、しし群の他に、こぐま群、ジャコビニ群、ペルセ群といったところでしょうか。みずがめη群とオリオン群(ハレー彗星)、おうし群(エンケ彗星)もトレイルの位置は計算可能でしょうが、これらは母彗星と地球の軌道が離れているため、トレイルが地球軌道と交差することはない(交差する頃にはトレイルは拡散しきっている)のではと思います。このうちこぐま群は、この手法により2000年の突発がイェニケンスにより予報され、実際に突発が観測されました。こぐま群の突発もこれからは「予報の時代」が到来するかも知れません。
〔L!b〕