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おうし座流星群射点位置とその移動(データはIMOによる)。 |
活動期間 |
10月15日〜11月30日 |
極大 |
11月上旬 |
流星群のホームラン王? おうし座流星群(おうし群)は、最も多く火球を飛ばす流星群です。活動は10月半ばから11月末までの長期に及び、11月上旬頃に最も出現数が多くなります。ですが、出現数はあまり多くなく、HR=数個〜10個ぐらいです。流星の特徴は、遅い、暖色系(黄色やオレンジ)です。輻射点は太陽とほぼ反対の方向にあって、真夜中に南中しますので、夜半頃が観測に適しています。
おうし群の母天体は、エンケ彗星(2P/Enche)といわれています。この彗星は現在見つかっている彗星の中で、最も周期の短い彗星で、その周期は3.3年ほどです。そのためにとても太いゴミパイプ(=彗星軌道付近のダストの帯)を持っているのでしょうか、おうし群は母天体の軌道が地球から最も離れている流星群です(但し、現在母天体が判明している流星群の中で)。また、エンケ彗星の軌道に比較的似た軌道を持つ小惑星がいくつも発見されていて、「おうし群複合体(Taurid Complex)」と呼ばれています。元は一つの天体(彗星)だったものが分裂したものと考えられ、おうし群の起源もこの辺にあるのではと考えられています。
冒頭の通り、年間で観測(報告)される火球の数はおうし群のものが最も多い(らしい)ですが、これは火球の比率が高いこともさることながら、活動期間が長い+観測可能時間が(秋の夜長なので)長いことが効いていると思います。最も多く火球を飛ばす群とはいえ、HRはあまり大きくない流星群なので、ペルセ群やここ最近のしし群の極大時の方がはるかに効率よく火球に出会えます。というわけで、火球を見ようと思うなら、ペルセ群やふたご群の極大のほうが適しているでしょう…
〔L!b〕