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シュワスマン・ワハマン第3周期彗星関連群予想輻射点(天文観測年表1998)と5月のうしかい座α流星群輻射点(L!b,2000)位置。 |
活動期間 |
5月20日〜5月31日? |
極大 |
5月23日? |
第2のビエラ群? シュワスマン・ワハマン第3周期彗星関連群(73P関連群)は、将来、ひょっとしたら流星雨を降らすかも知れない可能性を秘めた流星群です。が、現在は流星雨どころか、活動してるのかさえ不明な状況です。最大の焦点は少し先になりますが、母彗星が地球に非常に接近する2006年の活動です。その1周前の2001年の回帰に際しても活動があるか注目されましたが、明確な活動は確認されませんでした。活動そのものが不明なため流星の特徴も当然不明ですが、非常に遅いはずです。予想輻射点はうしかい座の1等星アークトゥルスの北西約10°辺りで、夕方薄明終了時にほぼ南中しています。
73P関連群は名前が示すとおり、シュワスマン・ワハマン第3周期彗星(73P/Shwassmann-Wachmann 3)を母彗星とする群です。その活動をふり返ってみますと… 1930年に比較的顕著な活動があったようです。が、それ以後は「???」な状況です。ところで、母彗星である73Pはいわゆる「木星族」の周期彗星です。木星族の常として木星の重力の影響で軌道が変化しやすいため、この彗星も活動が記録された1930年当時と現在では軌道が変化しています。従って、1930年当時とは活動期間や輻射点位置も異なると思われます。ちなみに1930年の活動は、活動期間5月24日〜6月19日、極大6月10日、輻射点はうしかい座とヘラクレス座の境界付近(かんむり座北方)で現在予想される活動期間、輻射点とはかなり異なります。
現在の活動期間と目される5月下旬には予想輻射点のそばに「5月うしかい座α流星群」という小流星群が知られています。この群、1969、70年にはじめて検出された群なのですが、73Pがおおよそ現在の軌道に収まって初の回帰が1968年と、なにやら怪しい香りが… と言うわけで、この5月うしかいα群が73P関連群である可能性が示唆されるのですが、何しろこの時期のうしかい座周辺は「小流星群のカオス」で、確固たるアイデンティティーを持った流星群はポン・ウィンネッケ群しかありません。ここまでぐだぐだと書いてきましたが、結局のところ、73P関連群については「よく解らない」というのが結論です…
〔L!b〕