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ジャコビニ流星群射点位置(データはIMOによる)。 |
流星雨の双璧! 一つは言わずとしれたしし座流星群で、もう一つがこのジャコビニ流星群(ジャコビニ群)です。13年に一度チャンスが巡って来、1998年見事大出現しました。また、翌1999年は13+1年目に当たっていましたが、予想外の突発出現を見せました。というわけ?で、「13年に一度」は崩れ去り、これからは「13年に三度」チャンスが巡ってきます(←ほんとか?)。次の要注意年は2004、2005年です。それまでは出現はほとんど期待できないでしょう。ジャコビニ群の流星はなんとも独特です。非常に遅く、ふわふわと飛ぶような感じです。大出現したら、流星雨というより流星雪といった感じかも知れませんね。輻射点はりゅう座の頭部にあって、薄明終了時に最も高く、真夜中には低くなるので、夜半前が観測に適しています。
ジャコビニ群の歴史は裏切りの歴史?でもあります。この流星群の母天体は、名前の由来にもなったジャコビニ・ツィンナー彗星(21P/Giacobini-Zinner)です。周期がおよそ6.5年のため、2回まわる(13年)ごとに地球に近づきます。このときが大出現のチャンスです。過去には1933年と1946年の2回、1時間当たり数千〜数万個の流星雨を出現させてます。1972年は、地球と彗星(軌道)の位置関係が非常によく、大出現(流星豪雨)が期待されました。マスコミにも騒がれ、ジャコビニ群フィーバーとなったようです。が、見事にスカ。このときからでしょうか? マスコミが騒ぐ天文現象はポシャるというジンクスが定着したのは。1985年は、1972年に比べて地球と彗星軌道の位置関係が悪く、72年でさえ出なかったのだから… という感じで、出現自体がかなり疑問視されていました。某ダイヤグラムから見ても悲観的でしたし… が、出現しました。しかも、極大予想より4時間ほど早い宵の口に。というわけで、極大に備え、夕方に準備をしていた人は、見事、煙に巻かれてしまいました。そして1998年。本命の時間は10月9日午前6時。日本から見るには非常に都合の悪い時間です。しかし前回は4時間早かったから………今度は8時間早く出現してくれました。おかげで、本来絶望的だった日本からよく見えました。この例からも分かる通り、流星群、特に○○年に一度とか言う突発出現の予想は全くアテになりません。なお、1999年は本命の時間?より7〜8時間遅く出てくれたために、これまた日本で見えました。最近日本はジャコビニ群に好かれているようです(笑)。
ジャコビニ群は次第に拡散が進んで、出現する年が増えるのでは… といわれています。それを裏付けるかのように、母彗星回帰の1年前である1997年には若干の出現が見られました。そして1年後である1999年には予想外の出現が捕らえられました。そのことからすると、13年の真ん中の年(2004年、2005年)にもかなりの出現をする可能性があります。(厳密には母彗星の周期が正確に6.5年ではないため、だんだん端数がたまってきて、「13年に一度」もずれてきます。これからがその時期に当たっていて、今後の回帰は2005年7月、2012年2月、2018年9月になります。この前後1年あたりが要注意でしょうか?)なお、母彗星である21Pは2029年に木星に接近して軌道が大きくなってしまいそうなので、それ以降ジャコビニ群は出なくなる恐れがあります。今のうちに見ておきましょう。もっとも今のうちでも出るかどうか解りませんが…
〔L!b〕